ジャカルタ
写真は5月28日の消費者まつりに展示されていた手作りのバッグです。
今日、驚くべき書評が朝日新聞に書かれていました。
「ジャカルタ・メソッド」 ヴィンセント・ベヴィンス著、米ワシントンポスト紙の特派員として東南アジアを取材したのだとか。
アメリカが展開した冷戦の正体、と表題にあります。
1955年インドネシアのバンドンでアジア・アフリカ会議が開催された。
参加国の総人口は世界人口の半分以上を占めた。
「人類史上はじめての、有色人種による大陸間会議」とインドネシアのスカルノ大統領が開会式で宣言。戦後も続く欧米の植民地主義と人種主義を批判し、社会的正義の追及を訴えた。
インドネシア共産党もスカルノ大統領を大筋で支持した。
反共を国是とするアメリカにとって、バンドン会議もスカルノも気に入らない存在だった。
反共主義的政治家とCIAはバンドンの精神とスカルノを崩壊させるべく、港湾都市アンボンを空爆したり、彼の評判を落とす画策をしたが、ほとんど効き目がなかった。
が、1965年、アメリカとパイプのある軍人スハルトが共産主義の反乱を鎮圧するという体裁のクーデターに成功(9.30事件)
彼とその部下は「ゲルワニという婦人団体のメンバーが、裸になって踊りながら、将軍たちの手足を切り刻み、拷問し、性器を切断し、目をえぐり出し、その挙句に殺害した」とデマを流す。
アメリカ政府はデマの拡散を助け、CIAは共産主義者の名簿を軍に渡し一網打尽の殺害を後押しした。
結果、100万の人々が共産主義者だという理由で拷問され強姦され殺害されたのである。
ウクライナどころの話ではない。
こういう本が米国から出たという事に、米国の強さを感じる。
それと同時に、本当に怖いのは外国の軍隊でなく自国の軍隊であると思った。
日本は太平洋戦争で自国の軍隊の怖さを知ったはずなのに。
もう1つ、思ったことは、中国に対する欧米の態度についてである。
バンドン会議にCIAが危機感を持った本当の理由は、アフリカをアジアに取り込まれては困るという欧米の事情だったのではないか、アフリカの資源は欧米のものだという、ロシアの資源は欧米のものだという、それに似ている。
最近の中国は、アフリカの資源開発をしようと目論んでいる。
それが欧米をして中国牽制の本当の理由ではないかと思ったのですが・・・
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2022年6月4日 | コメント/トラックバック(0) |
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