適応の条件
中根千枝氏の「適応の条件」昭和47年発行の書物も示唆に富んでいる。
彼女は個人の社会化を3つのカテゴリーに分けて考察している。
第1カテゴリーの人間関係は、「われわれはみな同じなのだ」「すべてお互いにわかっている」ということを前提にしている。そして、第2、第3カテゴリーは、第1カテゴリーの延長線上に位置づけられているから、それぞれの間には断絶がなく連続しているのである。つまり、日本人は異質に対する認識が低い。従って、敵対関係以外に断絶はなく、存在形態としての断絶を前提とした二者の相互関係は成立しない。二者の相互関係は連続を前提とする。
今は世代間ギャップ等と断絶をわかっているつもりでも、なおこの言葉は意味を持っている。
第3カテゴリーは無限の広がりをもち、外国人などもここに入る。外国人は、日本人がなかなか仲間に入れてくれないとか、ナショナリスティクだなどとよくいうが、それは第3カテゴリーの扱いであって、日本人の間でもそうした扱いをするのだということに気が付いていないためである。
母は第2カテゴリーから第1カテゴリーへ、第3カテゴリーから第2カテゴリーへ、人間関係を持っていくのがうまかった。
私はというと、いつまでも第3カテゴリーのままの人間関係を保っている。
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2014年6月6日 | コメント/トラックバック(0) |
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