書評1
写真はシキミの花です。一時は木が白くなるほど咲いていました。これは4月18日の撮影です。
今日の朝日新聞の書評は面白かった。
まず核燃料サイクルという迷宮、山本義隆著
東京電力福島第1原発からは大量の処理水が海洋放出されているが、この件で「安全性に問題ないから流せば良いのだ」と居状高に言い放つ論者が目立ったことに愕然とした。とか。
廃炉のめどは立たず、近隣国の支持も得られず、漁業者との約束も破って放出するのだから、まさに痛恨である。だが、この恥ずかしい「敗戦国」で、被災地への負い目も忘れ、むしろ勝ち誇る者さえいるのはなぜか。
このような倒錯は、もともと戦前から存在していたものである。とか。
政財界人や科学者の「能天気な技術観」を丹念に検証しているとか。
うわべは先端性をうたいながら、根本的に時代錯誤な万博やリニア中央新幹線をやめられないこと。それは破綻した核燃料サイクルをやめられないことと同型である。核こそが日本の病理の「核」なのだ。とか。
中国や韓国の日本産魚介類の輸入規制も、日本の反原発勢力に呼応したものかもしれない。それならば日本の反原発勢力は裏切り者なのだろうか?戦前だったならば、そう言って抑圧したかもしれない。いや、今でも深いところで抑圧しているかもしれない。
もう一つ、幕末の知識人たちが描いた未来、関 良基 著
幕府のために建白書を書いた知識人らに焦点を当て、その「憲法構想」ともいえる内容を1つひとつ検討する。そしてこう問いかけるのだ。明治維新ではなく、徳川幕府でも日本は十分近代国家になりえたのではないか、もっとましな近代国家に。
丸山真男の政治思想史への批判はねちっこいとか。
まだまだ、古生物学者と40億年、泉 賢太郎 著
古生物学者として、貝やカニを飼育する。恐竜の化石を掘るばかりが古生物学者じゃない。とか。
まだまだ、アジアの世紀へ、伊東 利勝ほか著 アジア人物史
金大中氏は、正義を貫く人は悲惨な最後を迎えたとしても歴史の中では必ず勝者になると語ったとか。
元沖縄県知事の大田昌秀氏は、米軍用地の強制使用手続きの代理署名を拒否したとか。それが、自治・自立・自己決定権を求める出発点になったとか。
まだまだだが、明日へ続く。
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2024年6月8日 | コメント/トラックバック(0) |
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